【野良猫の保護】母猫チャコが家族になった日|保護活動がつないだ新しい暮らし

母猫チャコ 保護猫活動

前回の記事では、保護猫団体のご協力のもと、母猫のチャコと3匹の子猫たちを無事に保護し、チャコの避妊手術が終わったところまでをお話ししました。

手術翌日の朝。
私は約束どおり、チャコを元いたお庭へ戻すため、2軒隣のお宅へ向かいました。

チャコが見せた安心した表情

お庭では、チャコを見守ってきた女性が待っていてくださいました。

キャリーケース越しに
「チャコ、大丈夫だった?」
と優しく声をかけると、それまで私には警戒心をむき出しにしていたチャコが大きな声で鳴き始めたのです。

その鳴き声は、昨夜まで私に向けていた威嚇とはまったく違うものでした。

私は思わず
「やっぱり、この方のことをちゃんと分かっているんだ」
と感じました。

その様子を見た女性は、静かに涙を流されました。

「チャコ……怖かったね。本当によく頑張ったね」

その姿を見て、私も胸が熱くなりました。

女性が打ち明けてくれた本当の思い

しばらくして女性が、私にこう話してくださいました。

「風さん、チャコを家の子にしてもいいかしら」

「触れなくてもいいんです。ただ、お家の中で安全に暮らさせてあげたいんです」

そして、これまで胸の内にしまっていた思いを聞かせてくださいました。

雨の日
風の強い日
真夏の暑い日
雪が降る寒い夜

そんな日は何度も窓から外を見て、チャコの姿を探していたそうです。

「ちゃんと帰ってきているかな」
「寒くないかな」
「無事かな」

そんな心配を繰り返していたことを、涙ながらに話してくださいました。

私は改めて、この女性もまた、チャコを大切に思い続けてきた一人なのだと感じました。

チャコが見つけた居場所

私はすぐに答えました。

「もちろんです!チャコにとって、それが一番幸せだと思います。」

ただ一つだけお願いしました。
これからは外へ出さず、家族として室内で暮らさせてあげてほしいこと。
お家の中で暮らしたことのない子。
粗相をしたり、悪戯をしたりするかもしれませんよ?
そう話すと
『子どもなんだから当たり前よ』と女性は力強くうなずいてくださいました。

こうしてチャコは野良猫ではなく、一つの家庭の大切な家族として新しい生活を始めることになりました。

一番警戒心が強かったチャコが、真っ先に安心して暮らせる場所を見つけられたことは
私にとっても本当に嬉しい出来事でした。

その後、3匹の子猫たちも健康診断や必要な検査を終え、動物病院からのご紹介や譲渡会などを通して
それぞれ新しい家族とのご縁に恵まれました。

親子そろって、それぞれの幸せな道を歩み始めたのです。

一人ではできなかったこと

今回の親子猫の保護では、本当にたくさんの方に助けていただきました。

保護猫団体の代表の方
動物病院の先生やスタッフの皆さん
チャコを見守り続けてきた女性

そして、新しい家族として迎えてくださった里親さん。

私は何度も代表の方へ感謝を伝えました。
すると代表の方は、こんな言葉を掛けてくださいました。

「私たちが動いたというより、風さんが真剣に行動されたからですよ。」

「自分にできることを一緒に考え、責任を持って動こうとする人だったから私たちも協力したいと思いました」

この言葉は、今でも私の心に残っています。
誰か一人の力だけでは救えない命があります。
けれど、それぞれが少しずつ力を合わせることで、守れる命もあるのだということを
この出来事が教えてくれました。

そして、この経験をきっかけに私はこの先もさまざまな猫たちとの出会いを重ねていくことになります。

その一つひとつが、今でも私の大切な思い出です。

チャコとの出会いから家族になるまでを、最初からお読みいただけます。

第3話「親子猫救出作戦」

はじめから読む方はこちらです。

第1話「毎日ご飯を食べに来る猫|お腹の大きな母猫との出会い」


チャコ保護シリーズ

  1. 毎日ご飯を食べに来る猫|お腹の大きな母猫との出会い
  2. 子猫を連れて現れた母猫
  3. 親子猫救出作戦
  4. 母猫チャコが家族になった日

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