前回の記事では、初めて乳飲み子から育てた子猫たちを送り出した日のことを書きました。
里親さんとのご縁が決まり、幸せになると分かっていても、私は寂しさに勝てず大号泣してしまいました。
けれど、そんな私の気持ちは、子猫たちが新しい家族のもとで幸せに暮らしているという便りによって、少しずつ安心へと変わっていったのです。
今回は、我が家を旅立った子猫たちのその後についてお話ししたいと思います。
最初に届いた近況報告
子猫たちを送り出したあと、私はしばらく気が抜けたような毎日を過ごしていました。
これまで当たり前のように続いていた授乳も体重測定もありません。
部屋へ行っても、ミャーミャーと鳴きながら駆け寄ってくる子猫たちの姿もありません。
静かになった部屋を見るたびに、寂しさが込み上げてきました。
そんなある日、里親さんから一通の写真付きメッセージが届きました。
そこには、新しいお家で安心した表情を浮かべる子猫の姿がありました。
その写真を見た瞬間、胸につかえていたものが少しだけ軽くなった気がしました。
「ああ、この子はちゃんと幸せになっているんだ」
そう思えたのです。
「俺には関係ない」と言っていたご主人
あるご家庭へ譲渡した子のお話です。
里親さんのお話によると、ご主人は当初あまり乗り気ではなかったそうです。
「好きにしたら?俺には関係ないから」
そんな反応だったと聞いていました。
ところが、子猫を迎えたその日から様子が変わり始めたそうです。
キャリーから出てきた子猫は、リビングでくつろいでいたご主人のところへトコトコと歩いていき、そのまま近くでくつろぎ始めたとのこと。
愛らしい子猫は一瞬でご主人の心を射止めてしまったようです。
それからというもの、ご主人は子猫の様子が気になって気になって。
気がつけば一番可愛がっているのはご主人。
今では赤ちゃん言葉で話しかけながら、毎日デレデレになっていると聞いて思わず笑ってしまいました。
猫には、人の心を優しく変えてしまう不思議な力があるのかもしれません。
「僕、この子のお兄ちゃんだから」
別のお家では、最初なかなか新しい環境に慣れない子がいました。
ケージの隅で小さくなり、不安そうに周囲を見つめていたそうです。
そんな様子を見て、お子さんたちも心配していたといいます。
その時、ご両親がこんな話をされたそうです。
「もし知らない場所に急に連れて行かれたら、お兄ちゃんはどう思う?」
「怖いし、お家に帰りたいよ」
「この猫ちゃんも、きっと同じ気持ちだと思うよ」
すると、お子さんはしばらく考えてからこう答えたそうです。
「分かった。僕、この子のお兄ちゃんだから、静かに待つ」
その言葉を聞いた時、私は胸が熱くなりました。
そして数日後、その子は少しずつ心を開き始めたそうです。
お兄ちゃんの優しさが、きっと伝わったのでしょう。
10年経った今も続くご縁
子猫たちを送り出してから、長い年月が経ちました。
それでも今なお交流が続いている里親さんもいらっしゃいます。
SNSで成長した姿を見せてくださったり、近況を報告してくださったり。
手のひらに乗るほど小さかった子が立派な成猫になっている姿を見るたびに、感慨深い気持ちになります。
中には冗談交じりに私のことを「実家のお母さん」と呼んでくださる方もいます。
子猫を送り出したあの日は、もう会えなくなるような気がしていました。
けれど実際には、こうしてご縁が続いていることがとても嬉しく、ありがたいことだと感じています。
まとめ|頑張って育てて本当によかった
子猫たちを送り出した当時の私は、寂しさでいっぱいでした。
けれど、里親さんから届く近況報告のひとつひとつが、その寂しさを安心へと変えてくれました。
新しい家族のもとで愛され、幸せに暮らしている姿を見るたびに思います。
「あの時、頑張って育てて本当によかった」と。
我が家を卒業した子猫たちは、それぞれの家庭で大切な家族の一員として暮らしています。
それが何より嬉しいことです。
そして、この経験は私に教えてくれました。
保護することだけがゴールではない。
その先にある幸せな未来へと命のバトンを繋いでいくことも、同じくらい大切なのだということを。
こうして最初の子猫たちを見送った私ですが、この先もまた、さまざまな猫たちとの出会いが待っていました。
そのお話は、また別の機会に綴っていきたいと思います。
あわせて読みたい
生後3日で保護した子猫たちとの出会いから育児、病気、旅立ちまで。 今回ご紹介した子猫たちとの物語はこちらの記事から読むことができます。
- 【生後3日の子猫を保護】72日間の育児で私が学んだ、小さな命と向き合うということ
- 【子猫育児の記録】生後3日からの体重変化と私が母猫の代わりに続けたこと
- 【子猫育児の記録】チビちゃんに見え始めた異変|動脈管開存症(PDA)が分かった日
そして、この子たちとの出会いから1年後。私は再び5匹の小さな命と向き合うことになります。


コメント