【保護猫の記録】疥癬(かいせん)のキジトラ猫を保護|重度の皮膚病と初めての隔離生活

庭に現れたキジトラ 保護猫活動

前回の記事では、私がこれまでの保護経験を通して感じた「野良猫を助けたいと思った時の心構えや、最初にすべきこと」についてお話ししました。

今回は、これまで保護してきた猫たちの中でも、特に命の危険を強く感じた一匹の男の子との出会いについてお話しします。

その子は、見るも痛々しい姿で庭に現れたキジトラの猫でした。

うずくまって動かない猫

チャコちゃん親子を無事に里親さんへ送り出し、少し落ち着きを取り戻した頃のことです。ある日、我が家の庭に見慣れないキジトラの猫が姿を現しました。
その子は毛並みはボロボロで、皮膚はガサガサに固まり、あちこちの毛が抜け落ちています。皮膚は赤く荒れ、強いかゆみに苦しんでいるように見えました。

何より気になったのは猫らしい俊敏さがまったくなく、その場でうずくまったまま動こうとしなかったことです。

「どうしたんだろう……。どこか大きな怪我をしているのかな。」

最初はそう思いました。
しかし、近くで様子を見てみると怪我ではなく皮膚の病気ではないかと感じました。

動物病院で診てもらった結果、この子は『疥癬(かいせん)』と診断されました。

疥癬(かいせん)はヒゼンダニというダニが原因で起こる皮膚病です。猫同士で感染しやすく、人にも一時的に皮膚症状が現れることがあるため、取り扱いには十分な注意が必要だと説明を受けました。

助けを求めているように見えた

当時の私は、疥癬について「ダニで感染する病気」という程度の知識は持っていました。

そのため、正直に言えば感染に怖さがなかったわけではありません。
私だけではなく、うちには猫たちもいます。感染させては大変なことになる。

様子を見るために私が近づいても逃げようとはせず、じっとこちらを見つめています。
その姿は、私にはまるで「助けてほしい」と訴えているように見えました。
そんな姿を見て放って置く訳にはいきません。

「大丈夫だよ。怖くないからね」

そう声を掛けながら、庭仕事をするときに使っていたビニールの長手袋を着用し、ゆっくりと近づきました。

すると、その子は暴れることも抵抗することもなく、静かに抱き上げさせてくれました。

私はそのまま慎重にキャリーケースへ入れ、動物病院へ向かいました。

人を怖がらない子

この子は驚くほど人を怖がりませんでした。キャリーケースの中でも病院でもおとなしくしていて
うちの子たちよりもスムーズに診察出来ました。

一般的な野良猫であれば、人が近づくだけで逃げてしまうことも少なくありません。

しかし、この子は終始とてもおとなしいのです。
具合が悪くて抵抗する気力もなかったのかもしれません。
私はこのボロボロになってしまった子を助けることが出来るのか、考える余裕もなく保護したのでした。

顔と後頭部と首回りの皮膚がこわばってしまったキジトラくん
顔と後頭部と首回りの皮膚がこわばってしまっています

初めての「徹底隔離」の生活

診断結果は、やはり重度の疥癬でした。
さらに栄養失調と脱水症状も起こしており、すぐに駆除薬の投与と点滴による治療が始まりました。

診察を終え、自宅での療養生活が始まりましたが、本当の大変さはここからでした。

先生から最も強く言われたのは、

「感染を広げないこと」でした。

我が家には猫たちがいます。
もし感染してしまえば、私の大切な家族である猫たちを危険にさらしてしまいます。

そのため、先生からは次のような指示を受けました。

  • 完全に独立した部屋で隔離すること
  • しばらくはケージの中で安静に過ごさせること
  • ケージや寝床を常に清潔な状態に保つこと
  • 世話をする時は使い捨て手袋を着用し、衣類にも十分注意すること

毎日の掃除や消毒も欠かせませんでした。

これまで何匹もの猫を保護してきましたが、ここまで感染対策を意識した保護は初めての経験でした。

初めての薬用シャンプー

さらに先生からは
「体力が戻ってきたら薬用シャンプーで皮膚を洗ってあげてください」
と説明を受けました。

しかし、私にとって野良猫のシャンプーは初めての経験です。
しかも皮膚は傷だらけ。

「暴れるんじゃないか」

「うまく洗えるだろうか」

そんな不安ばかりが頭をよぎりました。

それでも、この子の苦しそうな姿を見ていると迷っている時間はありません。

まずはしっかり食べてもらい、安心して眠れる環境を整え、少しずつ体力を回復させること。
それが今の私にできる精一杯です。

こうして私は、これまで経験したことのない感染症のケアと向き合う日々を送ることになりました。

次回は、初めて挑戦した薬用シャンプーや、実際に役立ったアイテム、そして少しずつ元気を取り戻し、表情にも変化が見られるようになったキジトラくんの様子についてお話ししたいと思います。

🐾 レオ保護シリーズ

疥癬(かいせん)で全身がかさぶただらけだった野良猫「レオ」。 保護から治療、猫エイズ陽性という現実、譲渡会、そして新しい家族との出会いまで――。
レオが幸せをつかむまでの記録を時系列でまとめました。

  1. 疥癬(かいせん)のキジトラ猫を保護|重度の皮膚病と初めての隔離生活
  2. 疥癬猫の闘病記|初めてのシャンプーと少しずつ剥がれていくかさぶた
  3. 疥癬完治で考えたこの子の幸せ|猫エイズ陽性でも諦めない
  4. 猫エイズキャリア「レオ」初めての譲渡会
  5. 猫エイズのレオに家族ができた日
  6. レオ、新しい家族のもとへ

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