前回の記事では、我が家の庭で疥癬(かいせん)によって皮膚がボロボロになり、動くこともままならない状態だったキジトラの男の子を保護し、感染を防ぐための隔離生活が始まったところまでをお話ししました。
今回は、その後の療養生活と初めて経験した薬用シャンプーについてお話しします。
ケージ内で静かな療養生活
保護した当初は、家の中での生活に慣れてくれるか分からなかったため、まずは1段ケージで過ごしてもらうことにしました。
かなり体力が落ちていたこともあり、最初の3日ほどはケージの中で静かに丸くなって過ごす時間がほとんどでした。
食事も最初は固形のフードを食べることができず、液状のキャットフードだけを少しずつ口にしていました。
後から振り返ると、口周りの皮膚まで硬くなっていたため、それが食べにくさの一因だったのかもしれません。
それでも暖かい部屋で安心できたのか、少しずつ自分からご飯を食べる量が増えていきました。
その小さな変化が、とても嬉しかったことを今でも覚えています。

初めて挑戦した薬用シャンプー
体力が回復してきた頃、次に気になったのが体の臭いでした。
長い間の外での生活に加えて皮膚病の影響もあったのでしょう。かなり強い臭いがしていました。
「少しでも気持ちよく過ごせるようにしてあげたい」
そう思い、動物病院の先生へ相談しました。
先生からは
「液状のフードを自力で食べられているなら、一度軽くシャンプーをしても大丈夫でしょう」
とお話をいただき、病院で勧められた低刺激の薬用シャンプーを使うことになりました。
猫は水を嫌がる子も多いため、お互いが怪我をしないよう、私は洗濯ネットを使ってシャンプーをすることにしました。
「怖いよね。でも大丈夫だからね」
そう声を掛けながら洗うと、驚くほどおとなしく身を任せてくれました。
最初はシャンプーの泡がほとんど立たないほど汚れが付着していました。
初回の目的は、臭いや表面の汚れを落とすこと。
無理にゴシゴシ洗うことはせず、皮膚への負担を考えながら優しく洗い流しました。
シャンプー後に気を付けたこと
シャンプーが終わった後は、タオルでやさしく全身の水分を拭き取りました。
当時の彼は全身の皮膚が固くなっていて、毛が抜け落ちてしまったところが何か所もあったのでドライヤーは使いませんでした。
ドライヤーの音でびっくりしてしまうかもしれません。でも、体が冷えてしまうのは心配です。
なので部屋全体を暖かく保ちながら、適度な距離を保って電気ストーブを使用し
体が冷えないように気を配りました。
不織布ガウンが役に立った
疥癬は感染力のある皮膚病です。
先生からも感染対策について説明を受けていたため、私自身も感染を広げないよう細心の注意を払いました。
お世話をするときは毎回、使い捨ての手袋を着用し、介護や医療の現場でも使われている不織布ガウンを羽織って部屋へ入っていました。
衣類への付着を防ぎやすく、お世話が終わればそのまま洗濯できるため、とても便利なアイテムでした。
隔離部屋専用のスリッパを置き、剝がれたかさぶたなども部屋の外に持ち込まないように気を付けていました。
少しずつ見え始めた回復の兆し
お薬と毎日のケアを続けるうちに、少しずつ変化が見えるようになりました。
あれほど激しく体を掻いていた姿が減り、血がにじむほど掻き壊すことも少なくなっていったのです。
その後は、獣医師の指示を受けながら週に2回のペースで薬用シャンプーを続けました。
シャンプーを重ねるたびに、顔や体を覆っていた固いかさぶたが少しずつポロポロと剥がれ落ちていきます。
そして、その下から新しい皮膚が少しずつ見え始めました。
その様子を見たとき
「この子は元気になる!もう大丈夫だ」
保護した日の痛々しい姿を思うと、その小さな変化が本当に嬉しく、希望を感じた瞬間でした。
次回は、さらに回復が進んでいく様子や、意外な一面を見せ始めたキジトラとの暮らしについてお話ししたいと思います。
※この記事でご紹介したケアは、当時、動物病院で診察・治療を受けながら実際に行った体験です。疥癬などの皮膚病は症状や状態によって適切な治療が異なるため、保護した猫に異常が見られる場合は、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
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疥癬(かいせん)で全身がかさぶただらけだった野良猫「レオ」。 保護から治療、猫エイズ陽性という現実、譲渡会、そして新しい家族との出会いまで――。
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