【保護猫の記録】疥癬完治で考えたこの子の幸せ|猫エイズ陽性でも諦めない

疥癬が治って将来について考える 保護猫活動

前回の記事では、疥癬(かいせん)で皮膚がボロボロになっていたキジトラの男の子を保護し、薬用シャンプーや毎日のケアを続けながら、少しずつ元気を取り戻していく様子をお話ししました。

今回は、疥癬の治療を続ける中で私が向き合った「猫エイズ陽性」という現実と、この子にとって一番幸せな未来について考えたお話です。

保護したその日に分かったこと

保護した日に動物病院で診察を受けた際、疥癬の治療とあわせてウイルス検査も行いました。

私は新しく猫を保護したときには、先住猫たちを守るためにも、猫エイズ(FIV)と猫白血病(FeLV)の検査を必ず受けるようにしています。

検査結果はその日のうちに分かりました。

結果は『猫エイズ(FIV)陽性

思わず言葉を失いました。

獣医師からは、猫エイズ陽性だからといってすぐに発症する病気ではなく、室内でストレスを少なく過ごし、健康管理を続けることで、発症せずに長く穏やかな生活を送る猫も多いと説明を受けました。

それでも不安が消えたわけではありません。
ただ、そのときの私には猫エイズについて考えるよりも先にやるべきことがありました。

それは命に関わるほど悪化していた疥癬を治すことでした。

疥癬を治すことだけを考えた1か月

毎日の投薬。
週に2回の薬用シャンプー。
感染を広げないための隔離生活。

この子が少しでも楽になるように、それだけを考えて過ごす毎日でした。

シャンプーを重ねるたびに、全身を覆っていた固いかさぶたが少しずつ剥がれ落ち、
新しい皮膚が見え始めます。

ご飯も少しずつ食べられるようになり、表情にも元気が戻ってきました。

そして保護から約1か月後。
動物病院で診察を受けた際、

「疥癬は完治しました」

という嬉しい言葉をいただくことができました。
あれほど苦しそうだった姿を知っているだけに、本当に嬉しい瞬間でした。

かさぶたもキレイになり新しい毛が生えてきた頃

この子の未来について考える

疥癬が完治し、一安心した頃。

私は改めて、この子のこれからについて考え始めました。
猫エイズ陽性という結果は、保護した日にすでに分かっていました。
しかし、この1か月は治療に必死で、その先のことを考える余裕はありませんでした。

ようやく落ち着いた今、この子にとって一番幸せな暮らしとは何なのか。
真剣に考える時間がやってきたのです。

私が考えた3つの選択肢

当時、私が考えた選択肢は3つありました。

  • 我が家の家族として迎える。
  • 猫エイズへの理解がある里親さんを探す。
  • 信頼できる保護団体や保護活動をされている方へ相談する。

もちろん、我が家で迎えることも真剣に考えました。

しかし当時の我が家には5匹の先住猫がおり、そのうち2匹は若いオス猫でした。

猫エイズは普段の生活で簡単に感染する病気ではありませんが、深く噛み合うようなケンカでは感染のリスクがあると獣医師から説明を受けていました。

成猫のオス猫を新しく迎えた場合、相性によっては激しいケンカになってしまう可能性もあります。

この子の安全、そして先住猫たちの安全を考えると「我が家で迎えること」が本当に最善なのか
自信を持って答えを出すことができませんでした。

そんなとき、以前友人から紹介していただいた個人で保護猫活動をされている方のことを思い出しました。

一人で悩み続けるより、まずは相談してみよう。
そう思い、連絡を取ることにしたのです。

この子にどう過ごしてほしいのか?

その方は私の話を最後まで聞いてくださり、優しくこう話してくださいました。

「猫エイズはキャリアというだけで、すぐに発症する病気ではないの。室内でストレスなく暮らせば
ノンキャリアの猫と変わらないくらい長生きする子もたくさんいるよ」

その言葉に少し安心した私へ、続けてこんな質問をしてくださいました。

「風さんは、この子にこれからどんな毎日を送ってほしい?」

その瞬間、私の答えは決まりました。

保護したばかりの頃は、ケージの中でじっとうずくまっていたこの子。

それが少しずつ元気を取り戻すにつれ、ご飯の時間になると鳴いて催促し、抱っこをするとゴロゴロと喉を鳴らして甘えてくれるようになりました。

本当は、とても人が大好きな甘えん坊の男の子だったのです。

私は素直な気持ちを伝えました。

「できれば、この子をたくさん甘えさせてくれる優しい家族のもとで、穏やかに幸せに暮らしてほしいです」

この子にとって一番幸せな場所を選ぶために

我が家には、長い時間をかけて築いてきた先住猫たちそれぞれの距離感や関係性がありました。

そこへ成猫のオス猫を迎えることは、相性によっては大きなストレスやケンカにつながる可能性があります。

一方で、この子は人が大好きで、とても甘えん坊な性格でした。

多頭飼育の我が家で暮らすより、この子だけをたくさん可愛がってくれる家族のもとで暮らした方が
この子にとってもっと幸せなのではないか。

私は、そう考えるようになりました。

譲渡会へ参加することを決意

私の話を聞いたその方は、最後にこう言ってくださいました。

「簡単ではないかもしれない。でも、風さんが動けばきっと道は開けるよ」

その言葉に背中を押されました。

私は、この子が本当に幸せになれる家族と出会うため、その方が主催する譲渡会へ参加することを決意したのです。

猫エイズ陽性という結果だけで、この子の幸せが決まるわけではありません。
正しい知識と理解があれば、猫エイズ陽性の猫も穏やかで幸せな毎日を送ることができます。

次回は、初めて参加した譲渡会での出来事や、この子との忘れられない出会いについてお話ししたいと思います。

🐾 レオ保護シリーズ

疥癬(かいせん)で全身がかさぶただらけだった野良猫「レオ」。 保護から治療、猫エイズ陽性という現実、譲渡会、そして新しい家族との出会いまで――。
レオが幸せをつかむまでの記録を時系列でまとめました。

  1. 疥癬(かいせん)のキジトラ猫を保護|重度の皮膚病と初めての隔離生活
  2. 疥癬猫の闘病記|初めてのシャンプーと少しずつ剥がれていくかさぶた
  3. 疥癬完治で考えたこの子の幸せ|猫エイズ陽性でも諦めない
  4. 猫エイズキャリア「レオ」初めての譲渡会
  5. 猫エイズのレオに家族ができた日
  6. レオ、新しい家族のもとへ

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